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 最初の衝撃は原口統三だった。
 それはエチュードだった。二十歳のだ。
 レコードを擦り切れるまで聞くというように、紙が擦り切れる程ページをめくった。

仲井戸麗市のエッセイ「だんだんわかった」の中にある "本棚の詩" の冒頭部分である。
このように、原口統三という名前はチャボ経由で知った。
彼が擦り切れるほどページをめくった本である。
もちろん読みたくて仕方が無かったが、この本を知った時点では絶版状態だったと思う。

もう何年前になるだろうか。
新聞に「二十歳のエチュード」が再発されるという小さな記事が載っていた。
次の休みの日、新宿の紀伊国屋に行った。残念ながら在庫は無かった。
しかし、再発されたという安心からか、その日は注文もせずに帰宅した。いつでも買えるだろうと。

さて、今は無くなってしまったが、会社の近くにあった古本屋。
仕事帰りにちょっとだけ立ち寄ることも多く、あの日もいつものようなそんな日のひとつであった。
まずは文庫本の100円均一コーナーをふら~っと見る…。

!!

一瞬、目を疑ったが、まぎれも無く「二十歳のエチュード」の文庫本であった。
興奮した。
帰りの電車の中では、チャボと同じように「陽に焼けたぺージ」を夢中でめくった。

CIMG3425.jpg

この本は、原口統三の遺稿を知人、友人が編んで出版したものらしい。
短いけれど強烈な言葉が次々と飛び出してくる。

 親戚ほど、不愉快な他人はない。おかしくもないのに、笑顔を見せねばならぬ理由がどこにある。

 僕はなれ合いが嫌いだ。僕の手は乾いている。

 日本では年じゅう黴が生える。この国の人々の手は汗ばんでいる。

 人造人間(ロボット)のみが人間を無視できる。

仲井戸麗市、チャボはこの本を「ブルースでいっぱいだった」と言った。
これがブルースならば、それが苦手な僕にも少しは理解ができるかもしれない。


原口 統三 / 筑摩書房(2005/06/08)
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